ながもち

昔から、あたしの雑な扱いにも耐え一緒に日々を暮らしている仲間がいる。

例えば時計。高くはないが、大人っぽいバックルで、金色の塗装がしてありかわいいやつである。確か結構探して悩んで買ったの物で

高校生の時かな、多分。大人びてるとかおもって買ったけど、今では塗装が剥げて下の銀色が少しでてきている。一度電池を替えたが、相変わらず彼女はしっかりと時を伝え続けてくれている。はたからみれば、ボロくさくて買い換えたらいいのに、なんて思われているかもしれない。けれど、それ以上にあたしには思い出というか、大切にしている気持ちが強くあり、ボロくさいとか言われるとちょっと悲しいのである。結構傷つくのである。なんで大切なの?と聞かれても別に強いエピソードがあるわけではないのだが、大切にしている物のひとつである。

人が持っているものに対して安易にボロだとか、替えたほうがいいとか、言わないほうがいい。たとえ思ってたとしても、たいせつにしているの?などと否定的な言葉は使わないほうがいい。とりあえずは肯定的でありたい。