帰りたくなかった

 

ツンデレなのでしょうか

2人きりになると距離が近くなる。手を繋いでハグしてキスして、磁石のごとく離れない。相手の目元にあたしの化粧のキラキラがついている。それさえも愛おしい。頰に髪に鼻に唇を落とす。顔を離したあとの柔らかい表情も、すきだ、すきなのだ。耳元の匂いがすごく好きで、好きでたまらない。香水とシャンプーといろんな匂いがあいまじって、くすぐったくなるほどにくんくんしてしまう。すきだ、好きだ。非常に触れていたいと願う。

 

帰りたくないと嘆く、返したくないと嘆く。

こんなやり取りをいままでしたことがなかったから、不思議で嬉しくて、不思議だ。

でも帰り道は普通に帰っていて、さっきのは幻だったのだろうかと思ってしまうのも確か。

 

 

 

くださいと そのシャツ掴み 匂いかぐ

虚無のそのそれ 漂うあなた